平ボディトラックは、そのシンプルな構造と汎用性の高さから、さまざまな業種で広く利用されているトラックです。
平ボディトラックの特徴
構造のシンプルさ
荷台が平ら: 荷台部分が平らなため、様々な形状の荷物を積み込むことができます。
アオリ: 荷台を囲むように取り付けられた「アオリ」と呼ばれる板によって、荷物が落下するのを防ぎます。アオリは、アルミ製や鉄製、木製など、様々な素材で作られています。
屋根がない: 屋根がないため、高さのある荷物や長尺物の運搬に適しています。積み方によっては、荷台の長さや幅以上の大きさの荷物も運ぶことができます。
汎用性の高さ
幅広い荷物に対応: 形状や大きさの異なる様々な荷物を積載できます。
積み下ろしが簡単: アオリを開閉することで、フォークリフトやクレーンを使った積み下ろしが容易です。
改造しやすい: 荷台に様々な装備を取り付けることができ、用途に合わせてカスタマイズできます。
メリット
様々な荷物の運搬が可能: 建築資材、産業廃棄物、農産物など、幅広い種類の荷物を運ぶことができます。
積載量が多い: 屋根がないため、他のタイプのトラックに比べて多くの荷物を積載できます。
コストパフォーマンスが高い: 構造がシンプルで、比較的安価に導入できます。
デメリット
雨天時の荷物の保護が必要: 屋根がないため、雨天時はシートなどで荷物を覆う必要があります。
盗難のリスクが高い: 荷物がむき出しになるため、盗難に遭いやすいというリスクがあります。
積載時の工夫が必要: 荷物のバランスを考え、しっかりと固定する必要があります。
平ボディトラックの種類
平ボディトラックは、荷台の高さによって大きく分けて以下の3つの種類があります。
「低床」・「全低床」・「高床」
低床型
平ボディトラックの低床型は、一般的に、前輪と後輪のサイズが異なり、前輪より後輪が外径の小さいタイヤとなり荷台の高さが低く設計されたタイプです。
荷物の積み下ろしが楽
地上からの高さが低い: 荷台までの高さが低いので、手作業での積み下ろしが非常に楽に行えます。特に重い荷物や、体格の小さな作業員の場合、そのメリットは大きいです。
フォークリフト作業の効率アップ: フォークリフトで荷物を積み込む際、フォークを高く上げなくても良いため、作業効率が向上します。
荷室の有効活用
荷室空間が広く使える: 荷台の高さが低い分、荷室空間をより有効活用できます。高さのある荷物や、形状が複雑な荷物も積み込みやすくなります。
上からの積み込み作業がしやすい: クレーンなどを使って上からの積み込み作業を行う場合、荷台までの距離が短いため作業がスムーズに行えます。
重心位置が低く安定性が高い
安定した走行: 重心位置が低いので、走行時の安定性が高く、高速道路での走行も安心して行えます。
積載量の増加: 安定性が高いので、積載量を増やすことも可能です。
作業員の負担軽減
腰への負担が少ない: 荷物の積み下ろし時の腰への負担が軽減されます。作業員の怪我のリスクを減らすことができます。
様々な業種での活用
建設業: 建築資材の運搬
物流業: パレット積みの荷物、大型機械の運搬
農業: 農産物の運搬
全低床型
全低床トラックは、前輪と後輪のタイヤサイズが同じで、車体全体が低く設計されています。これにより、以下のような特徴とメリットがあります。
荷台の高さ:低床トラックよりも荷台が高いですが、高床トラックよりは低くなっています。これにより、荷物の積み下ろしが比較的容易です。
車体の低さ:車体全体が低く設計されているため、運転席への乗り降りが楽になります。
タイヤのサイズ:前後のタイヤサイズが同じため、タイヤのローテーションが可能で、タイヤの摩耗を均等にすることができます。また、スペアタイヤも1種類で済むため、コスト削減につながります。
走行安定性:車高が低いため、走行時の安定性が高くなります。
一方で、デメリットもあります。
荷台の高さ:低床トラックに比べると荷台が高いため、積み下ろしの作業効率は低床トラックより劣ることがあります。
タイヤの衝撃吸収力:タイヤが小さいため、衝撃吸収力が低く、荷台への負担が増えることがあります。
全低床トラックは、低床トラックと高床トラックの良いところを組み合わせた設計となっております。
高床型
高床トラックは、タイヤ径が大きく、車高が高いのが特徴です。これにより、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
走行安定性:大きなタイヤと高い車高により、走行時の安定感が高くなります。特に長距離運送や高速道路での走行に適しています。
振動吸収:タイヤが大きいため、路面の凹凸による振動を吸収しやすく、ドライバーや積荷にかかる負担が軽減されます。
タイヤの摩耗:大きなタイヤは回転数が少なくて済むため、摩耗が少なく、タイヤの寿命が延びます。
スペアタイヤの管理:前後のタイヤサイズが同じため、スペアタイヤを1種類だけ用意すれば良いです。
デメリット
荷台の高さ:荷台が高いため、手作業での荷物の積み下ろしが難しくなります。特に重い荷物の場合、作業効率が低下します。
乗り降りの負担:車高が高いため、ドライバーやスタッフの乗り降りが大変です。
空荷時の衝撃:空荷で走行すると、路面の衝撃を受けやすくなります。
高床トラックは、特に長距離運送や悪路での走行に適しており、積荷やドライバーへの負担を軽減する設計がされています。
運転する際の注意事項
はみ出し規定
はみ出しに関する具体的な数値と規定
平ボディトラックの荷物の積み方やはみ出しについては、道路交通法や車両保安基準など、さまざまな法令で厳しく規定されています。これらの規定は、車両の大きさや種類、積載物の性質などによって異なりますが、一般的に以下の点が挙げられます。
後方へのはみ出し
保安基準による制限: 車両後端からのはみ出し距離は、車両の構造によって決められた範囲内に収めることが義務付けられています。具体的な数値は、車両の型式指定番号によって異なります。
赤旗・反射板の設置義務: 荷物が後方へはみ出す場合は、赤旗または反射板を、はみ出した部分の両端から0.5メートル以内かつ地上1メートル以上の位置に設置する必要があります。夜間は、反射板に加えて赤色灯を設置する必要があります。
左右へのはみ出し
車両の幅を超えてはならない: 荷物は、車両の最大外幅を超えてはなりません。
ミラーによる確認義務: 運転者は、サイドミラーやバックミラーで、荷物がはみ出ていないか常に確認する必要があります。
高さ制限
道路標識による表示: 高さ制限のある場所では、道路標識によって制限高さが表示されています。この高さを超える荷物を積載することは禁止されています。
トンネルや橋の高さ制限: トンネルや橋には、それぞれ高さ制限が設定されています。これらの制限を超える車両は通行できません。
はみ出しによる罰則
道路交通法違反: はみ出しに関する規定に違反した場合、運転免許の停止や罰金などの行政処分を受ける可能性があります。
事故発生時: はみ出しが原因で事故が発生した場合、刑事責任を問われる可能性もあります。
平ボディトラックのレンタルのメリット
平ボディトラックのレンタルは、様々な場面で活用できる便利なサービスです。購入に比べて初期費用を抑えられ、必要な時に必要なだけ利用できる点が大きな魅力です。
初期費用を抑えられる
購入と比較して、初期費用が大幅に抑えられます。車両の購入代金、保険料、税金、維持費など、多額の費用がかかる購入と異なり、レンタルでは月額料金のみで利用できます。
車両の維持管理費用を削減
車両のメンテナンス費用、保険料、税金などを負担する必要がありません。
車両の故障やトラブル発生時にも、レンタル会社が対応してくれるため、自社で対応する手間が省けます。
必要な時に必要な台数だけ利用できる
突発的な荷物輸送や、一時的な作業用に車両が必要な場合に、短期間でのレンタルが可能です。使わない期間の維持費や保管場所の心配もありません。
車両の多様性
様々なサイズや種類の車両から、輸送する荷物に最適なものを選ぶことができます。
特殊な用途に特化した車両もレンタルできる場合があります。
事業の柔軟性向上
自社で車両を保有する場合、車両の売却や処分に手間がかかりますが、レンタルであれば、契約期間終了後に返却するだけで済みます。
事業規模の変化や、新たな事業への参入にも柔軟に対応できます。